前回、SDGs目標12に掲げられた
「つくる責任つかう責任」
について、フードロスをテーマにお話ししました。
今回はつくる側。
様々な素材(端材、廃材)を活用し
魅力ある商品を作り出す作家さんをご紹介したいと思います。
つかう側の皆さんにもこうした取り組みを知って頂き
何を買うか、何を使うか、選択する際の参考にしていただけると幸いです。
“こっぱちょす”での出会い

今回ご紹介させていただく皆さんには
先日、石狩聚富 ひびきの丘にて開催された
こっぱちょす にてお話をお伺いさせて頂きました。
誰かの不要は誰かの宝
のコンセプトで運営されるこっぱちょすプロジェクト。
pepoが主に使用している素材
札幌軟石粉 (さっぽろなんせきこ、札幌軟石の粉砕粉)も
このプロジェクトをきっかけにご縁を頂きました。
企業、農家、漁師、作家が
「もう使えない」
「こんなのゴミだよ」
と当たり前のように手間と費用、そして環境へ負担をかけながら廃棄している素材。
でも他の生産者や、作家から見たら
「まだまだ使える!」
「同じような素材を購入して使っていた」
宝の山。
そんな素材と人を繋ぐ機会をつくり
循環させていくこっぱちょすには多種多様な業種の人々が集まります。
こっぱ 小さな木片、取るに足りない、つまらないもの。
ちょす 北海道弁でいじる。
ここでは 作る、どんな風になるか使ってみる ことを意味する。
シンバルで作るアクセサリー

ひときわ存在感を放つかっこいい作品の数々。
演奏中に割れて使われなくなったシンバルを加工しアクセサリーを制作する
Gemineyeさんの作品は
ギラギラとしたワイルドさがありながら
動物達のたてがみや尻尾の躍動感、大きく広げた翼
ひとつひとつ細部の表現にこだわった繊細さも併せ持つ。
こんな素材をどうしたらこんな風に加工できるのかと
ものすごく興味を引かれました。

一度役目を終えた楽器が、新たなステージで輝き続ける…
まさにアップサイクルな作品ですよね。
思い出の木で作るボールペン

様々な種類の木材、ぽってりとしたフォルム。
あたたかみのあるボールペンが並ぶスイカにマヨさんのブース。
自然の中にある素材や端材はもちろん
家の柱や家具の一部、庭の剪定の木など
「思い出の木」も活用して制作をされています。
素材そのものの形や模様を活かしてつくられており
無骨な形が何とも言えない魅力。
素材のストーリーが伝わる作品は
使えば使うほど味のある色味、風合いが増しさらに魅力を発揮します。
アップサイクルしたその先で長く愛用してもらえる理想的な作品だと感じました。

廃棄衣料から作るポーチ・ブランケット

環境配慮ではなく解決のために。
自然も動物も人間も誰も傷つかない共存できる世の中へ。
そう熱く語るのはCOEXISTさん。
移動式セレクトショップとして日本一周中。
間伐材で作られた荷台部分の扉をひらくと
日本各地、現場を実際に見て聞いて ホンモノ と感じた商品が並びます。
海洋プラスチックから作られたコースターやキーホルダーなどの雑貨。
産業廃棄物だった牡蠣殻から作られたアクセサリー。
役目を終えた乳牛から作られた1頭1頭の名前や性格がわかる革製品。
ひとつひとつの商品ができた背景、過程を聞きながら
本当に欲しいと思う1点を考える時間は
大量生産、大量消費の渦から抜け出した
自分や物事の本質に向き合う、そんな時間でした。
その中で私が手に取ったのは、TONITOのポケットポーチ。

TONITOとは着なくなり(もしくは着ることもなく)廃棄となった衣服の
古繊維をメインの原料とし、新しい形のプロダクトに作り変えるモノづくり集団。
綿素材をフェルト地に変化させつくられたポケットポーチは
手に取ると厚みがありしっかりと縫製されていることが伝わってきました。
元々、廃棄衣料だったことなんて全く感じさせない仕上がりです。
同じくTONITOが作るリサイクルウールから作られたブランケットは
驚くほど柔らかく、触っているだけでもぽかぽかとした温かさがありました。
その時々、手に入った衣服から作られるので
同じ色味でもひとつひとつ少しずつ色味が違うのもまた醍醐味。
「これにはこんな色の糸が入ってる!」
宝さがしをするように楽しく選ぶことができました。
まとめ
様々な素材、廃材、端材に
アイディアや技術、手間を加えて新たな作品、商品に作り変える。
アップサイクルなものづくりをご紹介いたしました。
気になるものはありましたか?
作り手の想いや、素材の背景を知ることで
大切に使いたい、長く使いたいと思うきっかけになるかと思います。
これからの暮らしの中で
選択肢の1つとして加えてみてはいかがでしょうか。